「CTP」は印刷以外にもさまざまな業界で使われている用語
最近の印刷業界ではたびたび「CTP」という用語を耳にします。
この「CTP」という言葉は、印刷業界以外に医療などの他分野でも別の意味で使われることもあるようです。
もしかすると今この記事を読んでいるあなたは、印刷用語ではないほうの「CTP」についての情報を求めているかもしれません。
そこに関しては別のサイトなどを参考いただきたいと思います。
力になれず申し訳ありません。
さて、では印刷用語の「CTP」について情報をお求めのあなたには、しっかりとわかりやすくCTPの意味などについて解説していきます。
どうぞ最後までご覧くださいませ。
印刷用語に、「DTP」という言葉もあります。
意味は違うのですが言葉が非常に似ているため、とてもややこしい言葉になっています。
DTPについてはこちらの記事で詳しく解説していますので良ければご参照ください。
https://xn--79qqfn1bp6ay65cntq.jp/blog/?p=33
CTPは「Computer to plate」の略
CTPとは、「Computer To Plate」の略です。
簡単にいえば、データ化された印刷原稿を、コンピューター上からそのまま版にする、ということです。
CTPによってオフセット印刷の技術は格段に向上した
DTPの記事でもお話しさせていただいたのですが、以前の印刷技術では製版する際に一度文字や写真を一度フィルムに写してから、そのフィルムを露光する、つまり版に焼くことでようやく版が出来上がっていました。
しかし、現在ではCTPの技術を用いることで、コンピューターで作成したデータをそのまま版に写すことができるようになりました。
フィルムを使った工程を省くことで時間や経費の削減に大きく貢献しており、現在のオフセット印刷には欠かせない技術となっています。
実際の工程をご紹介
「CTPの意味は何となく分かったけど、具体的な出力の流れがわからない…」そんな方に向けて、コンピューターでできたデータをCTPの機械で刷版として出力されるまでの工程を説明させていただきます。
まず、パソコンで作成された印刷データは、そのままの状態では版を作る機械がその印刷データを理解できません。
そのためいったん、印刷データを専用のソフトを用いて出力用に変換する必要があります。
変換ソフトの例としてはEPSON社の「Epson Edge Print」や、SCREEN社の「EQUIOS」などがあります。
この変換のことを「RIP処理」と言います。
頭の片隅に入れておくといつか役立つかもしれませんね。
出力用にデータを変換出来たら、いよいよ刷版として出力です。
出力機にデータを入力すると、出力機から「このサイズの版をセットしてくださいね」という表示が出ますので、その通りに元となる版をセットします。
この時、画像の通りに版の裏表、左右に気を付けます。
また、版を真ん中に配置しないと正しく機械が版を読み取れないので、目盛りを参考に版の位置を合わせます。
版をセットできたらふたを閉めて、後は版に出力されるのを待つだけです。
版の大きさにもよりますが、1版あたりだいたい4~5分ほど待てば、「ピーピー」と呼び出し音が鳴ります。
ふたを開けると画像のように出来上がった版が出てきていますので取り出します。
取り出した後は紙などで版を覆ってあげましょう。
こうすることで刷版が余計な光を取り込んで露光してしまうのを防ぎます。
あとはこの版を印刷機にセットして印刷すれば印刷物が出来上がります。
簡単にまとめると、
①印刷データを専用ソフトで変換
②出力機にデータを入力し、元の版をセット
③数分待って出来た版を取り出す。
④出来た版を印刷機で印刷。
⑤完成
という流れになっています。
動画で工程を見てみよう
今文章で説明した内容は、新潟県に本社を置く印刷会社さんである「株式会社ウィザップ」様がアップしているこちらの動画でも詳しく紹介されています。
気になる方は文章と合わせて見ていただくとより理解が深まります。https://www.youtube.com/watch?v=CZ5zs4sRh7w
こちらの動画は掲載にあたり許可をいただいております。
株式会社ウィザップ様、許可をくださりありがとうございました。
まとめ
今回はCTPという言葉の意味、そしてCTPの工程をご紹介させていただきました。
CTP技術は20年ほど前から広く知れ渡り、今でも現役バリバリに大活躍しています。
印刷業界においてCTPはまだまだ必要とされる技術です。
今後ますます進化していく印刷技術の発展に目が離せません。