こんにちは!昭和印刷出版です!
連載企画「紙工とはなんだ?」第2回となる今回は、紙の表面に加工する「PP加工」についてご紹介します!
PPとは「ポリプロピレン」のこと
そもそもPPとは、ポリプロピレンの略称です。
PP加工とは、紙の表面をポリプロピレンのフィルムでコーティングする加工のことです。
用途としては、本や冊子の表紙、カードなどです。
PP加工は「マット加工」と「グロス加工」に分けられる
PP加工はマットPP加工とグロスPP加工の2種類に分けられます。
「マット系」という言葉は、印刷以外でもメイク用語なんかで使われたりしますよね。メイク用語では「ツヤのない仕上がり」を指しますが、印刷もそれは一緒です。マットな紙とはツヤのないしっとりした紙のことですし、今回のマットPP加工はツヤのないPP加工ということになります。マットPP加工は光の反射がされにくく、印刷物の色は加工前と比べると濃くなります。
マットPP加工をすると、上品で落ち着いた印象を持たれます。
それに対しグロスPP加工は、ツヤが出て明るく鮮やかさがある仕上がりになります。またPP加工をする前の印刷物と比べると色が濃く見えるのが特徴です。
マットPP加工とグロスPP加工の用途
それぞれの用途としては
マットPP加工
・カード
・高級感が欲しいポスター など
グロスPP加工
・果物や生鮮食品など食材の宣伝ポスター
・商品のPOP など
です。
PP加工をすることで紙にキズや汚れがつきにくくなり、破れにくくなります。だから店舗でのポスターや掲示物に向いているんですね。
PP加工のデメリットも忘れてはいけない
ただし、PP加工には2点ほどデメリットもあります。
1.用紙が反りかえってしまう
1つ目に、用紙が反り返る、というのがあります。
紙の片側だけにPP加工をしたり、上質紙など薄い紙にPP加工をしたりしてしまうと、紙がPPフィルムに引っ張られて反ってしまう恐れがあります。紙工屋さんではこういった反りを防ぐために、両面PPでの対応や、そもそも薄い紙へのPPを受け付けないところもあるので、詳しくは弊社や紙工屋で相談してみると良いでしょう。
薄い紙は反り以外にも紙にシワが寄ってしまいやすいという点でもPP加工は非常にやりづらいものとなっています。「薄い紙とPP加工は相性が悪い」ということです。
2.コストがかさんでしまう
2つ目のデメリットはコスト面です。
印刷をした後にPP加工という工程を付け足すので当然ですが加工なしに比べて費用は上がります。
ですが、先ほど例に挙げたような屋外での掲示物なんかは、紙をそのまま貼ってもすぐに破れたりダメになってしまうことが多々あります。
そのようなシチュエーションであれば、PP加工が必要になる場合もありますし、そうでなくてもPP加工というのは印刷物に高級感や目立たせる効果が強いので、コストに見合った価値は十分あると考えられます。
印刷したいものとコストを比べながら考えましょう。
ちなみに、PP加工の費用はグロス加工のほうがマット加工よりやや安く抑えられます。
こちらも参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は紙工とはなんだ?第2弾としてPPについてご紹介いたしました。
次回以降の記事では、ニス加工やプレスコート加工についてご紹介したいと思っています。
そちらもぜひお楽しみに!
それでは、今回はここまでです。
ありがとうございました。