こんにちは!昭和印刷出版です!
連載企画「紙工とはなんだ?」もこの記事で3本目となりました。
抜き加工、PP加工に続く今回は、ニス加工とプレスコート加工についてのお話です。
・印刷物の表面にニスを塗る「ニス加工」
まず、ニス加工です。
ニス加工は、印刷物の表面にニスを塗ることで表面を保護する加工です。
前回ご紹介したPP加工と似ていますが、PP加工はいったん紙などに印刷をしたあとにPP加工を改めてします。
それに対しニス加工は印刷工程で同時にニスも塗ってしまうため、早く、そして安く仕上げることができます。
ニス加工もPP加工と同じようにグロスとマットの2種類があり、お好みに応じてどちらの加工にするか選べます。
さらにニス加工は細かく以下の3つに分類できます。
- OPニス加工
- UVニス加工
- 疑似エンボス
では1つずつ順にご紹介しましょう。
まず、OPニス加工についてです。
OPニス加工
OPニス加工はオーバープリントニス加工の略称です。
OPニス加工は全面加工と部分加工の2種類存在しており、印刷面にこの加工をすることで、印刷面を汚れやキズから保護するだけでなく、裏移りや色落ちなども防ぐ効果があります。
PP加工と違うのは見た目の目立たなさです。
OPニス加工はPP加工に比べてあまり加工をしている感じがありません。
光に反射させるとやや透かしのように見える程度です。
UVニス加工
次にUVニス加工です。
UVとはUltra Violet、すなわち紫外線のことを指します。
UVニス加工はこの紫外線をニス溶剤に照射させて瞬間乾燥させる加工です。
先ほどのOPニスに比べて乾燥時間が大幅に短いため、短納期での納品が可能となっています。
疑似エンボス加工
最後に疑似エンボス加工についてご紹介します。
疑似エンボス加工とは、OPニス加工をした上からさらにUVニス加工を施す加工のことです。
こうすることでまるでエンボス加工をしたような凸凹感が出ます。
・プレスコート加工
最後にプレスコート加工をご紹介します。プレスコート加工は、アクリル酢酸ビニールという素材でできた塗料を塗り、熱風で乾燥させた後ステンレスの版を押し当てて圧を加える加工です。こうすることでPP加工と似た光沢の出る加工ができます。PP加工やニス加工との違いは、フィルムを使わないために耐久力の面でPP加工より劣りますが、その分環境によく、またニス加工と比べると光沢感が非常に強いのが特徴です。
プレスコート加工はコート系の硬い材質の紙に向いています。逆に上質紙やマット紙は不向きなため、その場合はOPニス加工やPP加工を検討したほうが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。前回のPP加工と今回のニス加工、プレスコート加工、これらは表面加工と呼ばれる部類の加工ですが、加工方法や見た目などはそれぞれ異なるため、紙質、仕上がり、納期などに合わせて使い分けが大切です。表面加工をされる際はぜひこの記事や紙工屋さんの情報を頼りに印刷物に合った加工をしましょう。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
当ブログでは紙工以外にも、紙のサイズ規格やCTPなど様々な記事を掲載しております。もし印刷のことでわからないことがあればほかの記事も読んでみてください。
それでは、今回はここまでです。ありがとうございました!