”デザインされた紙の角に描いてあるカクカクしたアレ”こと「トリムマーク」について解説!

直角のマークみたいなのが角にあるの、あれ何…?

こんにちは!昭和印刷出版です!

『印刷会社で印刷を頼むと、なんで角に変な線がついているの?』
『トリムマークとかトンボってなんとなく聞いたことあるけどなんのこと?』
『トンボって絶対につけないといけないの?』
という疑問にお答えするため、今回はポスターなどを印刷した際に角についてくるカクカクした線についてわかりやすく解説していきたいと思います!
記事の後半では実際に印刷データに「アレ」をつける方法もお教えします!

アレの名前は「トリムマーク」「トンボ」

このマークは「トリムマーク」や「トンボ」と呼ばれるマークです。
トンボと呼ばれるのは単純に見た目が昆虫のトンボに似ているからだそうです。
なんだかユニークではないですか?
このマークは、印刷物を正しいサイズに裁断するための指示線となっています。

コーナートンボとセンタートンボ

トリムマークはこのようにそれぞれの角と中央に計8つ配置されます。

イラストレーター上のトリムマーク。わかりやすいように線を太くして色を赤く強調している。


冒頭で述べたようにトリムマークはトンボとも呼ばれますので、角のマークを「コーナートンボ」、中央のマークを「センタートンボ」と呼ぶこともあります。

コーナートンボを拡大した図。
センタートンボの拡大図。


逆に「コーナートリム」とか「センタートリムマーク」とはあまり言いません。

コーナートンボの役割は、ずれの確認とカットの指示線

コーナートンボとセンタートンボでそれぞれ果たす役割が違います。
コーナートンボの役割は主に2つあります。
一つがカットするための指示線。
そしてもう一つは、カラーごとに印刷にずれがないかをチェックする役割です。
裁断するための指示線、とはどういうことでしょうか。通常、印刷会社などで印刷された印刷物は、印刷機の規格に沿って印刷が行われてからそれぞれのサイズに裁断、という工程を踏みます。
サイズに関しては菊判とかA判とか4切とか複雑な規格があるのでまた別記事でご紹介したいと思います。
ご家庭でも使えるような小さなプリンターならA4サイズみたいに出力されますが、印刷機で刷るような印刷物は注文ごとにサイズがばらばらなので、いったん印刷をしてからその紙をカットする必要があります。
このカットするためのガイドになる線が「トリムマーク」というわけです。

例えば、縦に裁断するときはこの赤丸で印した場所を基準に切る。
横なら同じようにこの赤丸の線の通りに切る。

センタートンボにはズレの確認と中央を示す2つの役割がある

センタートンボは、先ほどのコーナートンボと同様に色ずれを確かめる役割と、印刷物が出来上がった際の中央を示す役割があります。
センタートンボは4つ付けられるので、それぞれ天地(印刷用語で上下の意)と左右の中央がわかるようになっています。
また、冊子などページ数を表記するような場合にはセンタートンボが数字の位置の目印にもなります。

トリムマークに合わせて印刷をしてはいけない?

『じゃあ、トリムマークにピッタリ合わせて印刷データを作ろう!』と思われたそこのあなた、ちょっと待ってください!
確かに印刷の仕上がりはトリムマークを基準に考えれば良いのですが、それだと端に白地が出てしまう可能性があります。
というのも、印刷された紙を裁断する際は1枚ずつ裁断するわけではなく、500枚とか1000枚単位で一気に裁断します。
そのため、どうしても裁断する際にごくわずかに裁断にずれが生じることがあります。
トリムマークピッタリに合わせたデータだと、このずれのせいで仕上がった印刷物に白地が出る可能性があるのです。

花火の写真にトリムマークをつけた図。このままだと裁断した際に白地が出てしまい、失敗するおそれがある。

ですから印刷データを作る際は、デザインに上下左右各3ミリほど余裕を持たせてください。
この余裕のことを印刷用語では「塗り足し」と呼びます。
トリムマークとあわせて覚えておきましょう。

写真の場合はデザインのぬりたしはできないので、今回は写真を少し拡大した。これでもOK。

トリムマークは重要な役割を果たしている

今回はトリムマークについて解説させていただきました。
このマークは印刷において必ず必要となる重要なマークです。
トリムマークを覚えておくと、印刷会社に印刷を依頼する際のやりとりなどもスムーズに進められます。
印刷でトラブルがないように、ぜひ覚えておきましょう!