商業印刷におけるオフセット印刷とオンデマンド印刷

こんにちは!

昭和印刷出版です!

「オフセット印刷…?オンデマンド印刷…?」

「オフセットってなんとなく聞いたことあるけど意味までは知らない…」

「オフセットとオンデマンドって何が違ってどう使い分ければいいの?」

1度でも思ったことある方、特に必見です。

印刷会社での印刷は、一般家庭でのプリンターなどによる印刷とは違い、大きな機械を使って印刷されます。

今回は、印刷会社での主な印刷方法である「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」について、言葉の意味やそれぞれのメリットとデメリットなど幅広くご紹介したいと思います。

そもそもオフセット印刷とは?

まずは、オフセット印刷についてのご説明から。

普段から印刷業界で仕事をされている方でないと、この言葉自体聞いたことがない人がほとんどだと思います。

実際私自身も、3月に昭和印刷出版に入るまでオフセット印刷の意味を全く知りませんでした。

オフセット印刷とは、「版」を使った印刷方法のことです。

まず、印刷機にセットされた版にインキを付け、そのインキをいったん版からブランケット胴と呼ばれる樹脂やゴムなどでできたローラーに移し(オフ)、ブランケット胴と反対側の圧胴とよばれる2つのローラーで紙を挟んであげることで紙にインキを転写(セット)します。

これがオフセット印刷です。

以前のCTPの記事で版の出力方法については触れましたが、この平らな版を使って印刷することをオフセット印刷と言います。

オフセット印刷のインキは4色

インキの色は、フルカラーの印刷であればCMYKと呼ばれる4色を使用します。

それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色です。

この4色を組み合わせてキレイなフルカラーの印刷ができます。

またものによってはモノクロの印刷であったり(スミ)、何色かのインキを混ぜて特別な色を作ったりすることもあります(特色)。

現代の印刷業界では、多くの企業でこのオフセット印刷が用いられています。

オフセット印刷の特長とまとめ

オフセット印刷の大きな特長としては、印刷機にもよりますが菊判の全紙サイズなど大きいサイズでも印刷可能な点や先ほど申し上げた特色を使えることなどが挙げられます。

ここで一度オフセット印刷について簡単におさらいしておきましょう。

・オフセット印刷は版を使った印刷方法

・インキを版から一度ブランケット胴に移してから紙に印刷。

・インキの色はモノクロ、CMYKカラー、特色など。

・オンデマンドに比べて大ロットの印刷に向いている。

以上がオフセット印刷の大まかなイメージです。

「枚葉印刷」と「輪転印刷」

オフセット印刷は、「枚葉印刷(まいよういんさつ)」と「輪転印刷(りんてんいんさつ)」の2種類に分けられます。

枚葉印刷について

まず「枚葉印刷」のご説明です。

枚葉印刷機には、規格に合ったシート状の紙をセットして印刷していきます。印刷機の大きさはものによってさまざまですが、弊社で稼働している桜井グラフィックシステムズ社製の「OL466SIP」はおよそ5メートルほどの長さがあります。

後述の輪転機よりはコンパクトなサイズで、都心部などで多く用いられるようです。枚葉印刷は、セットした紙をローラーで移動させながら、インキが乗ったブランケットから紙にインキを移すことで紙にインキが付着して印刷されます。四色機ではこの工程をCMYKの四回繰り返すことでフルカラーの印刷ができます。

輪転印刷について

続いては輪転印刷です。輪転印刷の歴史は19世紀ごろにさかのぼり、新聞の需要とともに輪転印刷も需要を伸ばしていったとされています。

輪転印刷機は、ドラムに版をセットして回転させて、その版につけたインクをロール状の用紙に写して印刷します。

これによって迅速かつ大量の印刷が可能になっています。

主な用途は新聞やチラシなどの大ロットな印刷で、新聞であれば1時間に20万部を刷れる機械もあるんだとか。

大ロットに対応するため、印刷機ははじめから最後までで大きいものだと40mにもなるそうです。

枚葉印刷の機械が5mほどでしたのでかなり大きさに差があることがわかるかと思います。

以上が現在のオフセット印刷のご紹介でした。

オンデマンド印刷とは

次に、オンデマンド印刷についてご紹介いたします。

オンデマンド印刷は、家庭用のプリンターをイメージしていただけるとすごくわかりやすいと思います。

オフセット印刷のように版をセットするのではなく、データをそのままトナーで紙に印刷する方式です。

印刷するたびに版を出力する手間やお金がかからないため、短い納期で少ない部数を取り扱うのに向いています。

極端な話、はがき1枚でもオンデマンド印刷なら対応可能です。

またオンデマンドは、その特性上顧客1人1人に違う情報を届けるためのDMや、年賀状、賞状などにも対応しています。

これらもオフセットではなかなかできない分野です。

「じゃあ全部オンデマンド印刷でも良いんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。

実際オンデマンド印刷の登場によって小ロットの印刷などはオフセットより優れている点が多いことも事実です。

ですがオンデマンド印刷にも苦手分野はいろいろあります。

オンデマンド印刷を利用する一番のネックは紙の大きさの制限です。

オンデマンド印刷機はプリンターのように紙をトレイにセットして印刷します。

ですので、オフセット印刷などで使用する全紙サイズや2切サイズの紙はオンデマンドでは印刷できません

そのような大きさの印刷をする場合はオフセット印刷が必要になります。

またほかにも、CMYK以外の特別な色が出せない、大ロット印刷はオフセット印刷に効率面で劣る、などの弱点があります。

オンデマンド印刷のまとめ

オンデマンド印刷についてまとめると、

・業務用のプリンターのようなイメージ

・データのまま紙にトナーで印刷

・短納期、少部数に強い

・印刷できる紙の大きさに制限がある

・一部例外はあるが、特色が出せない

といった感じです。

最後に

オフセット印刷とオンデマンド印刷にはそれぞれ長所と短所があるので、用途によって使い分けるのが良さそうですね。

今回は、オフセット印刷の枚葉印刷と輪転印刷、そしてオンデマンド印刷についてご紹介しました。

最近では6色まで印刷できる片面両面対応の印刷機が登場するなど、印刷業界は多様化するニーズに合わせて日々成長を続けています。

これからの印刷業界にも一層目が離せません。