DTPは知っておかないと損!印刷業界の用語をわかりやすく解説

DTPって何?

こんにちは!東大阪の小さな町工場、昭和印刷出版で働く新入社員の岡田颯斗と申します!

印刷業界について調べていると、時々「DTP」という言葉を耳にします。
用例として多いのは職業の「DTPデザイナー」や「DTPオペレーター」などでしょうか。

印刷業界を志望される方や、もうすでに印刷関連の仕事をしているけどまだ経験が浅い方などにはなかなか分かりづらい単語だと思います。
ではこの「DTP」とはどういう意味なのでしょうか。

DTPとは「卓上出版」のこと

ずばり「DTP」とは、「DeskTop Publishing」の略称だそうです。

日本語に直訳すると「卓上での出版」です。

これだけではあまり意味が伝わってきませんよね。卓上での出版とはつまり、「パソコンを用いて印刷データを作成、実際に印刷物を作成すること」です。

パソコンがない時代の印刷

パソコンを用いて印刷データを作成?なんのこと?となっている皆様、ご安心ください。
これからさらにこの内容を深掘りしていきます。
現代では当たり前のようにパソコンを用いて迅速で高品質な印刷データの作成がされていますが、パソコンなどがないころの印刷はとても時間のかかる作業でした。
まずどのような印刷物を作成するのか計画を立て(計画)、その計画をもとにどこにどのような文字や写真を配置するのかを決めます(デザイン)。
そのデザインを参考にしながら文字を配置し、写真を配置する場所にアタリをつけます。
「ここにこの大きさで写真が印刷されるぞ」と下書きをするわけですね。
ちなみにこの下書きを「版下」と呼びます。
下書きができたら次は実際に写真などを取り込んでフィルムにします。そのフィルムをアルミ板に乗せて紫外線を当てます。
フィルムに出力された部分は紫外線に反応させないようにすると、出力部分にだけインキが乗るようになります。これが「刷版」です。
この版を印刷機に取り付けて印刷することで、紙に印刷ができる、というわけです。
印刷は黒1色だけで行うこともあれば(モノクロ印刷といいます。)、シアンマゼンタイエロー、黒の4色のインキを順番に乗せるカラー印刷もあります。
ここまでの文章を読むだけでも疲れてしまわれたかと思います、すみませんでした…。
DTP印刷では、版下までの工程をすべてパソコン上で完結させられるため、それまでより何倍も手軽に、そしてスピーディーに印刷ができるようになりました。

DTPデザイナーとDTPオペレーター

DTPを業務として行う役割を果たすのが、DTPデザイナーDTPオペレーターと呼ばれる人たちです。
これらの役職は1人の人が兼任することもあります。
DTPデザイナーは主に紙媒体の印刷物をメインに扱う仕事です。
顧客と打ち合わせを行い(印刷計画)、文章や写真の配置をして、DTPオペレーターに指示を出します(デザイン)。
指示を受けたDTPオペレーターは実際にAdobe IndesignやQuarkXpressなどのDTP専用のソフトを用いて印刷データを作成し、クライアントからOK(校了)が出れば印刷会社に印刷を依頼します。
ここまでがDTP、卓上での出版と呼ばれる仕事です。
デザイナーが顧客と打ち合わせをして仕事内容を決め、オペレーターが自社でその仕事を実際に行う、というイメージです。
先述したDTPデザイナーとDTPオペレーターを兼任している人はこの受注とデータ作成を一人で行うというわけです。

DTPエキスパートについて

自動車の運転ができるという証明になるのが運転免許証なら、DTPができるという証明になるのが、日本印刷技術協会(JAGAT)が主催する「DTPエキスパート」です。
この資格は学科試験と実技試験に別れており、現在は学科試験のみ合格したことを証明する「DTPエキスパート」と、学科試験と実技試験の両方に合格したことを証明する「DTPエキスパート・マイスター」の2段階認証の方式がとられています。
学科試験では印刷の基礎知識などをマークシート形式で計240分解答します。
実技試験では、課題として出される印刷物のお題に対し、実際にそのデータを提出することで解答できます。

まとめ

DTPとそれにまつわる関連用語についてざっくりですが解説させていただきました。

いかがでしたでしょうか?DTPは今後の印刷業界でも必ず必要とされる仕事です。

印刷業界に関心のある皆様はぜひDTPにも目を向けていただきたいと思います。